【宇宙は有限】夜空はなぜ暗いのか?【オルバースのパラドックス】

白いベンゼン720×90




星空

「地球の外はどうなっているんだろう?」

「この世界の果てには一体なにがあるんだろう?」

「世界に終わりはあるの?始まりもあったの?」

人類は有史以前からこのような疑問を感じていました。

ご存知の通り、人間は自然世界を観察によって知識を獲得していきます。

地球は太陽の周りを公転している惑星の1つであり、太陽は数千億個の恒星の1つであり、この銀河が無数に広がって銀河宇宙が構成されている…という具合です。

しかし、知識を獲得していく中で観察で得られた結果と理論との衝突がたびたび起こったのも事実。

今回は「オルバースのパラドックス」を始めして「夜空はなぜ暗いのか」という疑問を取り扱い、現代宇宙論の歴史の一部をご紹介します。

夜空はなぜ暗いのか?【オルバースのパラドックス】

私達が存在するこの銀河宇宙が単純に無限に広がっていると仮定しますと、

「夜空が無限に明るく輝いているはずだ」という日常レベルの観察的矛盾が生じますよね?

この矛盾こそがオルバースのパラドックス(paradoja de olbers)と言われていることです。

単純化したモデルで考えてみましょう。

  • 条件1:すべての銀河・恒星の明るさは一様
  • 条件2:すべての銀河・恒星の空間分布は一様

このとき、地上での個々の銀河の見かけの明るさは地球とその銀河との距離Rの2乗に反比例します。つまり

地上での個々の銀河の見かけの明るさ)∝(地球とその銀河との距離Rの-2乗)

です。

さらに、距離Rの球面上にある銀河の個数はRの2乗に比例します。(ヒント:球の表面積)つまり

(距離Rの球面上にある銀河の個数)∝地球とその銀河との距離Rの2乗)

です。

この2つの距離Rの依存性はお互いに相殺して距離Rに依らない数値、つまり定数になります。夜空の明るさはこの定数を0から∞の距離まで積分することによって得られるので当然+∞となってしまいます。

この矛盾を打開する解決策を考えてみましょう

解決策1:「宇宙空間にはダストがあり光を吸収するので遠方からの光はやってこないからだ」

宇宙空間のダストがエネルギーをもった光(光子)を吸収すれば遠方からは無限の光がやって来ないという主張。

しかし、これは以下のような理由で解決策にはなりません。

吸収した光がダストを温める

→ダストは吸収したのと同じ量のエネルギーを放出する

→ダストの吸収によっては解決できない

実は次の解決策によって矛盾は解消できます。

解決策2:「宇宙の年齢が有限であり、宇宙が膨張している」

宇宙膨張によって遠方からやってくる光は波長が長くなります。(ヒント:音源が遠ざかる場合のドップラー効果)つまり、赤方偏移によってやってくる電磁波のエネルギーは小さくなります。(ヒント:電磁波のエネルギー=hc/λ)

さらに宇宙の時間が有限であるから距離の積分範囲も有限になり、矛盾は解決できました。

まとめ

「夜空はなぜ暗いのか?」という素朴な疑問は、有限の過去に宇宙が始まり膨張していることで答えが得られます。

裏返すと、驚くことに「夜空はなぜ暗い」という事実は「有限の過去に宇宙が始まり膨張していること」を直接示唆していたわけなんです。

白いベンゼンレクタングル




白いベンゼンレクタングル




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする